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2002年08月09日

嘘六百・第6回

 前回までに、セガ系列の社長さんを何人か話題に採り上げました。こうなれば勢いに乗って、他の社長さんの事も書いちまうことにしましょう。題して「鶴見六百と日本の社長」。シリーズ第1回は、ウェーブマスターの牧野社長です。

 牧野といえば、平成元年入社組の中でも、フライング・キッズ(型破りな変人)として名を馳せています。こう書くと「オマエこそ!」と言われそうですが、いえいえ、君には及びません。大学時代は学校行かずにバンドマンのバイトで食っていて、セガに入社。畑違いの人事部に配属になった後、2年目に開発に転部して、社長に登りつめた人間なんて、ゲーム業界広しといえども、君ぐらいなものでしょう!
(このネタって割と有名だったりする? じゃ、その内幕だ!)

 牧野とワタシは、たまたまセガの川崎大師寮で隣同士の部屋だったのですが、二人とも大学を留年していたり、免許取消になっていたりと(…これ内緒だったっけ? 悪ぃ書いちまったよ、わはは)何かと共通点が多く、まあ「ウマが合った」と言っていいでしょう。ともにエアコンの無い四畳半に住み、私の部屋が窓1つだったのに対して、彼は角部屋で窓2つ。「風通しが良くて涼しかった」ただそれだけの理由で、よく入り浸っていたものです。

――おっと、彼が29インチのステレオ大画面TVを持っていたのも、理由の一つでしたっけ。土曜の夜ともなると必ず、当時の人気番組「イカスBAND天国」を、揃って観ていたりしました。

 30歳以下の人は知りませんよね、「イカ天」。言ってしまえば、アマチュアバンドの勝ち抜き歌合戦みたいなものですが、社会現象「バンドブーム」を生み出すほど一世を風靡した番組でした。

 そのイカ天を一緒に観ていて気付いたのですが、さすがに牧野、音楽で食っていただけあって、出場者の演奏をに対する評価が的確。彼が「コレむちゃくちゃカッコイイわ」と評したバンドは、まず間違いなくメジャーデビューして「売れ」ました。不思議なほどの先見の明。

 そんな牧野の苦手は、朝。私と一緒に夜更かししていていても、彼は人事部で8時半出社。なのに私は開発なので10時出社。アタフタと遅刻寸前でタクシー出社する牧野を、よくからかったものです。
「悔しかったら開発にくればぁ」と。

――で、来ちゃった訳ですね(笑)。驚くべき「願望達成能力」!

教訓:ってことは、きっかけは俺かよ!?

 そういえば、同じ寮には、初代「スイッチ」ディレクターの近藤(現・ランドホー)が居て、牧野は随分と「スイッチ」をベタ褒めしていたように記憶しています。

型破りで、音楽のプロで、スイッチを高く評価していた、願望達成能力の持ち主が、いよいよ満を持して出す、PS2版「スイッチ」。個人的に相当期待してます。

牧野への私信:榎本さんの分と合わせて「2枚でどうだ」!


この後しばらく、牧野からソフトが送られてくる気配は全くなかった――案の定。なんだか別件で電話した時に「おお、忘れてたよー、すぐ送るよー」と言ったが、勿論、送られてこなかった(笑)。確か、こちらから「ラチェット&クランク」を送った時に、返礼として送られて来たような気がするけど…まあ、それが牧野らしいっちゃ牧野らしいやね。

そうそう。「スイッチ」は、「面白いゲーム」として期待していたワケじゃなく、「スイッチらしいゲーム」として期待していたので、誤解無きよう…。いやマジで、スイッチらしい「スイッチ」でした。満腹。

牧野のエピソードを思い出そうとすると、どうしても、川崎大師寮近くの「金山(カナマラ)神社」で行われていた、男根をブンブン振り回す、天下の奇祭「金山(カナマラ)祭」を思い出してしまう。
実際に一緒に行ったコトはないんだけど、やっぱりイメージが近いのかねえ。つうか、そっちのエピソードを書けば良かったか。

投稿者 tsurumy : 2002年08月09日 06:00

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