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2002年12月27日
嘘六百・第15回ボツ版
さてさて、こちらが問題の「ボツ」版。
編集長による、「書かれている内容に根拠が薄い」
「制作者自体がこんなの書くのは格好悪い」
という判断からボツにされたんだけど――
ちゃんと反論してみんかい!
カッコ悪いのを承知で書いてるんじゃ!
読者の皆さん榎本さん、初めまして! 山村モヘップ(12)って言います。今回はモロモロの事情から、ボクが書くコトになっちゃいました。1回限りのツタナい代打ですがヨロシクお願いしますねっ!
で、イキナリでゴメンナサイなんですけど、正直、ドリマガさんには失望しちゃいました。ってのは、前号での「ラチェット & クランク」レビューの話。
ドリマガのレビュー、評価軸が少な過ぎません? つうか、点が低すぎません?
あのですね、ゲームのレビューを「批評」だとアナタ方が言い張るんなら、そこには多面的な評価軸が必要だと思うんですよ。ゲームシステムとかのルールに関わる部分はもちろんのこと、ゲーム世界のアートワーク/サウンド/プログラム/シナリオ/キャラクター/それら全てを束ねるコンセプトワーク、などなど全部。で、各々の要素について、技術的に洗練されているか/斬新か/時流に乗っているか、といった複合視点で採点すべきだと思うんです。
今回のラチェットって、ヒイキ目でなく客観的に見て、芋吉さんが(じゃなくて「六百さんが」ですね(笑))過去に関わったどのゲームよりも、色んな面で良く出来てると思うんです。取っつきやすいルールも、AIを使ったヒント出しも、迷わせないマップデザインも、60fpsで描かれた緻密な世界も、プロロジックIIサウンドも、アニメーションも声もメカも爆発も、全てが「プレイしやすさ」と「快感」に特化した「匠の技」って感じ(新規性は足りないかも)。――でもそういう部分はレビューでほとんど無視されてる…。
小難しいコトは無視して、キャラの好き嫌いだけで点つけてるでしょう?
そりゃあ、好き嫌いは大切ですよ。実際、あるセグメント性別年齢層で第一印象が悪い、というデータはあるそうです。でも、メインターゲット層であるボクら低年齢層にはウケが良いというデータもあるんですよ! なぜかっていうと、ボクらは新しいスタイルに寛容だから。寛容でないのは、アニメやマンガで育ちきってしまった大きなお友達ばかり。ストライクゾーン許容範囲が狭くなってしまった彼らが声高に「日本人向けでない」と叫んでいる姿はまるで、戦前の修身教育を受けた方々が「若者の乱れは目に余る」と新聞に投書してるみたいで、頭がコーチョク化しちゃってる。
確かにね、バイヤーズガイド的な意味から言ったら、ドリマガ読者層に好かれるソフトをプッシュするのは間違っていないと思いますよ。でもね、ただでさえユーザーさんに「今」ウケている定型だけをなぞった「媚びた」コンテンツが氾濫してるワケじゃないですか。そんな中、ゲームとしての各要素を正当に評価して、進化や進歩を促すような視点が無い「お得意サマ商売」なレビューだけじゃ、いずれ先細りになっちゃいますよ。ゲーム市場的にも、ドリマガ販売数的にも。
――なんちゃって、ボクみたいな子供が好き勝手言ってすいません。ホントに
「私が悪うございました」
久々のモヘップ君の原稿は、日の目をみませんでした(泣)。
つうか、いまだに「12歳」って一体……。
ともあれ、これ以来ドリマガのレビューには注目してるんだけど、はっきり云って「レベルが低いな」という印象は変わらない。まあ、編集者が想定する読者レベル(実際の読者レベルではない)が低いのかもしれないし、その場合は、俺がどうこう云える筋じゃないんだけどさ。連載を辞めるしかないだけで。
んでもって、この回のボツを契機に、「じゃあ読者のレベルを試してやろうじゃないか」と、Game Developers Conference原稿シリーズを始めるコトになったワケです、ハイ。
投稿者 tsurumy : 2002年12月27日 18:00
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