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2003年08月22日

嘘六百・第31回

――どこで道を誤ってしまったのだろう?

元々この連載は、「ゲーム業界の真実」と銘打ちながら、その実とんでもない大嘘を書き散らして、ゲーム業界の人心を惑わそうというMMR的意図から始めたはずだったのに、いつの間にやら真実100%の優等生に成り下がっちまっているではないか! あまつさえ、事実関係を確認するために取材までやっているという、無様な小心さ。

遺憾!

せめて真実は25%以下に抑えておかないと、嘘六百の名が廃る。今からでも遅くない、嘘を大量に混入させて――いや、自分の脳内真実に基づいて、原稿を書く事にしよう。そう、副題も付けて――

嘘六百・妄想篇


セガが「ゲーム制作者養成専門学校」だったのは周知の事実だけれど、同時に「ギャンブラー養成塾」でもあった事は、あまり知られていない。

私の出身部署であるAM3研(現・ヒットメーカー)は、メダルゲームの企画&ソフト制作をやっていただけあって賭け事が殊のほか盛んで、毎日昼休みともなるとビデオルームに好き者が集い、ブラックジャックの盆が開帳されていたものだ。

チップは1枚100円。下手をすれば1時間で100枚近く負けてしまう事もあるので、皆、研究に余念が無かったように思う。

念の為書いておくと、BJには必勝法とされる戦術が存在し(厳密に云うと違うが)、あるルールとカードを数える技術(カウンティング)を身に付ければ、ペイアウト(P/O)率をほぼ100%に近づける事が出来るのだ。ちなみに競馬のP/O率は75%以下。BJがいかに割の良いギャンブルか解ってもらえるだろう(実はこんな知識も、AM3研で覚えた物だったりする)。

とはいえこの戦術、使いこなすには相当の反復練習が必要。私もメダルゲーム担当者に文献を借りて研究し、昼休みに毎日練習したお陰で、その戦術を身に付ける事が出来たのだ。結果、ラスベガスで私は、未だかつて一度も負けた事がない。

とまあ、実利たっぷり?のBJだが、その胴元をやっていたのが、誰あろう、セガの新社長・小口さんだったりする。小口さんといえばギャンブラーに喩えられる事が多い人だが、何の事はない、比喩ではなくて本当にギャンブラーなのだ。

私の印象で云うと、様々なギャンブルに精通している上に、とにかくツキが太い人。蒲田のGマシン屋(違法ポーカーゲーム)で、店に「ロイヤルストレートフラッシュ達成者」として名前が貼り出されていたという噂も十分肯ける――というか、本当だとしたら、度胸も大したもんだ(笑)。

そして、小口さん率いるAM3研、部員のツキもかなり太かったように思う。ある時、部内でジャンボ宝くじのグループ買いをやった事があったのだが、結果は――なんとまあ、ビッグレジャー賞500万円が当選してしまったのだ!

さてさて、勝負師・小口さんが社長に就任した今、セガは「ビッグレジャー賞」を引き当てる事ができるのか――

賭けてみませんか?>小口さん

――健忘症かもしれない…そう思ったのは、つい先日の事。

小口さんのセガ社長就任に伴う機構改革で、旧知の熊谷さんと片岡がそれぞれ開発分社の社長になるとの報を聞き、これは嘘六百のネタになるわい、と喜んだのだが――

――机の前に向かっても、2人の面白エピソードが全く浮かんでこない。いや、浮かばないワケではなく、面白い話ではなかったり、あるいは、自分の筆力では誤解を招きかねない(熊谷さんや片岡に、あらぬ迷惑をかけてしまいそうな)微妙な話だったりと、なんというか、自由に伸び伸びと書けそうにないのだ。

遺憾。

思えば、この夏で私がセガを退社してから丸々8年になる。どこかで聞いた文句だが、「8周年記念」だ(笑)。

近頃では、あれ程エキサイティングだったはずのセガ在籍時代の記憶も薄れがちで、むしろ、SCE初期のエピソードの方が、遙かに輝いている。

こうなったら、ウラ取りとか、世間体とかは全く無視して、自分の脳内事実に忠実に書こう――

――そう考えたのが、今回の「妄想篇」だ。ま、今まで以上に好き勝手に書かせてもらいますわ。

投稿者 tsurumy : 2003年08月22日 06:00

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