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2002年05月31日

嘘六百・第1回

最近、マイクロソフトに入った友人から、こんなメールが来ました。「Xbox事業部にはセガ出身の人が多く、皆が鶴見さんの事を知っていて驚きました」。

それ、実は驚くような事ではないんですよ。マイクロソフトに限らず、歴史の古い大手メーカーを除けば、ゲーム業界のどこへ行ってもワタシのような無名のセガ出身者は多く、「一度『セガ閥』に入ると一生食いっぱぐれない」とすら言われています。

転職を希望する際にも、真っ先にセガ時代の知人にコンタクトを取るのは、セガOBにとってはごく普通の行動で、これを称して「もとセガネットワーク(MSN)」。今回の友人からのメールによって、マイクロソフトにもMSNが有ることが判明した訳です(…ン?)。

あるいは、こうも言われます、「セガ・ゲーム専門学校」(大鳥居ゲーム専門学校、とも)。即戦力が求められるゲーム人材市場では、セガ卒業生はあたかも金の卵のように重宝されています。ある意味、セガでゲーム制作のノウハウを学んだ人間が世界のゲーム産業のレベルを底上げしていると言っても過言ではありません。

ここで特筆すべきは、人材が大量に流出しても、それでもなお、優れた人材が山のように残っている、というセガの凄さです。何故なんでしょう?――この謎は、次回以降、解き明かしていきたいと思います。


という訳で、皆さん初めまして、鶴見六百と申します。

大昔、ドリマガの先祖である「Beep」でライターを始めて以来、セガAM→CS→SCE→フリー、と、かれこれ18年もゲーム業界で禄を食んでいますが、未だもって無名の制作者です。特にドリマガ的には超無名。ワタシが何をやっている人なのかは、とりあえずPS2「ジャック×ダクスター 旧世界の遺産」や、PS「クラッシュ・バンディクー」シリーズを御購入の上(笑)、スタッフクレジットを御覧下さい(以上、微妙な宣伝でした)。

そんなワタシですが、無名は無名なりに、雑誌の記事に載るようなパブリシティ宣伝文句でもなく、匿名掲示板に投稿されるような愚痴暴露中傷誹謗の類でもない、「ゲーム業界の真実」を赤裸々に綴れるかな、なんて自負しております。特に、ワタシが制作者としてのキャリアをスタートさせた「セガ」、皆さんの大好きな「セガ」については、今は離れているだけに、好き放題!書けると思います。

まあ、担当編集者曰く「セガに否定的な書き方をすると、読者の半分を敵に回すから、なるべく止めてくれ」だそうなので、むしろ褒めます。褒めて褒めて、褒めちぎります(笑)。

今回の教訓:「ゲーム業界で一生食っていくのなら、セガに入れ」


かなり昔、「鶴見六百」を名乗り始めた頃
(あれはセガを退社し、本州をクルマで放浪していた頃か?)
福野礼一郎氏の名著「ホメずにいられない」に感銘を受けた俺は、あのような「嘘のような本当のような感動的な話を、ゲーム業界を舞台として書けないものだろうか?」と試しにネタ拾いをスタートしたんだったと思う。それが「嘘六百」という仮タイトルだったっけ。

ちなみに俺のコンピュータの中には、Macintosh Plusでライターをやっていた頃からの、そんな思いつきネタの文書ファイルが澱のように溜まっている。「罪と没」とかね。

この連載も、最初にドリマガのウメちゃんから話があった時は、そんな「『ゲーム業界・隠れた偉人伝(嘘75%混入)』をやりたいなあ」と答えた…
…ハズだったのに、なぜか始まってみれば「セガ昔話」。うーん、おかしい(笑)。
(ま、連載が軌道に乗ってきたら、その手のネタもやるけどね)

ともあれ、書き始めた第1回目の原稿は、その後の方針を決定づけるモノなだけに、相当、慎重に書きましたよ、アタシゃ。計3バージョンぐらい作ったのかな。
例えば、下のはパイロット版。



読者の皆さんは、ゲーム業界内部の事を、どれだけ御存知ですか?ゲーム雑誌を開けば「開発者インタビュー」と題した「生の声」が何ページにもわたって掲載されていますし、「公式サイト」や「2ちゃんねる」をはじめとする双方向メディアでも、開発者の、肉声のフリをした書き込みが散見されます。それらを読めば、なんとなくゲーム業界内部の事が解ったような気になれるでしょう。

――しかしながら、断言しちゃいます。そのほとんどは、発売になる製品のパブリシティ宣伝か(大概コレ)、ブランドの宣伝か(公式ページの有名開発者日記系)、あるいは匿名の愚痴/誹謗/中傷(2ちゃん・個人サイトに多い)ばかり。

そりゃそうです。たいていの大手ソフト会社において、基本的に開発者はソフトのパブリシティ権を持っていない事が就業規則(あるいは雇用契約)に明記されているのですから。固いことを言うなら、自分の創っているソフトを宣伝する事すら、会社の許可を得なければ出来ないのですよ!(極論ですが)
よって、核心を突いたトークができるのは、ある程度の地位にある社長・取締役・部長といった現場を退いた方々にならざるを得ませんし、逆に現場の声を表明する場合は匿名にならざるを得ません。地位も高く現場にも近い方の素直な言葉――例えば、任天堂の宮本さん達が「MOTHER3」の開発中止について、「ほぼ日刊イトイ新聞」で対談したような例は、まず稀です(アレも、制作者のみに解る婉曲表現が多かったのですが)。

――そうした内幕があってもなお、読者の皆さんはゲーム業界内部の「真実」を解っていると言えますか?


皆さん初めまして、鶴見六百と申します。大昔、ドリマガの先祖である「Beep」でライターを始めて以来、かれこれ18年もゲーム業界で禄を食んでいますが、未だ無名の制作者です(特にドリマガ的には)。ワタシが何をやっている人なのかは、とりあえずPS2「ジャック×ダクスター 旧世界の遺産」か、PS「クラッシュ・バンディクー」シリーズを御購入の上(笑)、スタッフクレジットを御覧下さい。ま、そういう事です(以上、SCEに内緒の宣伝でした)。

まあ、無名は無名なりに、雑誌の記事にも匿名掲示板にも決して表れることのない「ゲーム業界の真実」を赤裸々に綴れるかな、なんて自負しております。特に、ワタシが制作者としてのキャリアをスタートさせた「セガ」、皆さんの大好きな「セガ」については、今は離れているだけに、好き放題!書けると思います。

――ドリマガにクレームが来さえしなければ、ですが (笑)。
それでは次回をお楽しみに!



――つまんない(笑)。

つうか、無名な俺が(笑)こんなコト書いても、誰も読んでくれないコト受け合い。
なのでもっとキャッチーにすべく、「毎回セガ(もしくは有名人)のネタを入れる」「『教訓』を入れて、ゲーム業界志望者に対しての『HOW TO』モノのフリをする」っていうルールを入れたのが、実際の第1回の原稿。
この手の短いコラムって、フォーマットを作っておけば、あとはネタを流し込むだけでautomaticallyに出来上がってラクチンなんだけど、そういう意味からは、汎用性の高いフォーマットが出来たんじゃないかね。
実際、毎回の原稿もラクチンに書かせてもらってるし。
ただ、ネタが多すぎて溢れちゃうのが、唯一の悩みのタネ。
ネタの宝庫すぎるよ、セガってば…。


ところで、ドリマガ連載時には、榎本俊二氏のイラストが華を添えているワケだが、マジな話、榎本氏がこの仕事を受けてくれるとは思わんかった。ずーっと昔から呑む度に、「いつか仕事でご一緒したいですね」と言っていたので、「今回が、まさにその時!」とは思ったものの、なんとも時期が悪そうに見えたのだ。
だって氏は今年ヤタラメタラ忙しく、「ゴールデンラッキー」の復刻版が大田出版から出るわ、iモードでも「えの素」が始まるわ、***からも***が出るわ出るわの大賑わい。

この忙しさからすると、断られると思うでしょ?

でもダメ元でメールを打ったら…「やりましょう」の良い返事が来ちゃったんですねー。
ああ、ありがたや、ありがたや、神様仏様榎本様!

ちなみに、もし榎本氏が原稿を落とした際には、ずーっと昔に貰ったサイン「榎本俊二が描いたクラッシュ・バンディクー」を代原として掲載する約束。でも、モザイク無しだと載せられないかも(笑)。

タグ: セガ

投稿者 tsurumy : 2002年05月31日 00:00

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コメント

と、言うわけで今日の記事の関連事項をグーグルで
探していたらたまたまこのサイトを発見、読んでるしだいで
ございます。
というわけで最初から読み始めたわけですが、
最初の回のボツ原稿、個人的には好きですよー。
もちろん、本文の方もよかったけど
個人的にはボツ原稿ルートでの話の展開も見たかったり
・・・まだここしか読んでないのでボツ原稿があるのかどうかが謎ですが・・・。
とにかく、ノンビリ読ませてもらいます

追伸 URLは本サイトではなく私のブログサイト行き。
   なんでメインじゃないねんというツッコミは無しで。

投稿者 K隊長 : 2006年09月04日 10:03