« 夏は来ぬ | メイン | 大和魂トハ何デセウ »
2002年06月14日
嘘六百・第2回
E3に来てます。
LAです。
広い会場どこもかしこも人、人、人!
――そんな汗臭さMAXな人の海を離れ、
私は独り、
ビーチサイドに体育座りで海を眺めてます。
ここはサンタモニカ。
西海岸の陽光の下、開放的な水着姿の外人女性が、
ラストブロンクス東京番外地やデッド・オア・アライブもかくやとばかりに胸を揺らし、砂浜を走ってます。
そんな女体を眺めながら、
「ポヨン、ポヨン…バィン、バィン、ズギャギャギャギャン!」
などと、勝手な効果音をアフレコして楽しんでいる私。
いったい何しにアメリカまで来たのやら…。
前回、「ゲーム業界で食っていくには、まずセガに入れ」と書きましたが、今回はその続編「いかにしてセガに入るか」。もちろん、正式ルートはセガ公式サイトの「採用情報」なりを読んでもらうとして、私が記すのはズバリ「裏ルート」。完全(ぜんぜん)無保証、お試しあれ!
あれは、大学5年生の4月。私はセガの会議室で、面接ならぬ取材をやっていました。話題は、発売間近なアーケード基板「システム24」について。名作「ゲイングランド」「クラックダウン」などを生み出した基板、御存知ですよね? FDでソフトを入れ替え可能とし、24KHzディスプレイで高精細に描画、大量4096個のオブジェクトを制御可能な、当時としては先進的なシステム。さすがセガ、「先進技術で時代を先取」と経営理念で謳うだけあります。
取材のお相手は、システム24のハード開発責任者の方でした。第一印象は「恰幅の良い気さくな人」。インタビュー形式で取材を進めてもその印象は変わらず、システム24に込めたアツき想いを語り、私の突っ込んだ質問にもアツく答え、まあ何というか、話は弾みに弾んだのです。
取材が大成功のうちに一段落した後、その責任者さんと雑談をしていたら、何かの拍子に、私がゲーム業界志望の大学5年生だという話題が持ち上がりました。そうしたら――
「じゃあ、うち(セガ)来んかね? 今から人事の人間呼んであげるよ」
ハァ!? そんなんアリですか?
――アリでした。直後、呼ばれた人事の方と話をし、私はいわゆる就職活動を一切せずセガに入社してしまったのです。
さて、「恰幅の良い気さくな責任者」って誰だったんでしょう。アツくハードを語った漢(おとこ)――なんとその方、佐藤秀樹セガ現社長だったりするわけです。わぉ。釣りバカ日誌か島耕作、てなもんですな。
――もうお気付きでしょうか。
今回の教訓「セガに入るには、佐藤社長に食らいつけ!」
ところで、E3の会場内は禁煙なので、我々スモーカーは定期的に、屋外の搬入口などに「避難」して一服するのが常です。そこで思わぬエグゼクティヴとバッタリ遭遇することも多々あって、そういえば佐藤社長とも、昨年・一昨年に会って、雑談しましたっけ。
馬鹿にならないんですよ、喫煙場所コミュニティって。
教訓その2「E3搬入口が狙い目だ!」
せっかく「嘘六百」と銘打っているんだから…と今回から嘘を混入させてみた(やっとかよ!)。
字義通りならば、「嘘八百」の内、7割5分は嘘のハズなんだけど、ほら、俺って正直者だから(笑)、嘘を吐くのもびくびくモノ。
で…。
「E3に来てます」とか書いているけれど、実はこの原稿、日本で書いたモノ。
バインバインとか、ズギャギャギャギャンとか、全て架空の出来事。つうか「妄想」。
でも一応、原稿はサンタモニカの仕事場から榎本さんにFAXしたし、そもそも1年に6回はサンタモニカに行ってるワケだから、ソレっぽい雰囲気になってる…よね?
ちなみに、その悪巧みを担当編集のウメちゃんと打ち合わせた時に、「サムシング吉松氏をE3に連れてってレポートしてもらったら?」と提案したのは俺なので、氏のファンは俺に感謝するように。
さてE3。搬入口で今年も会っちゃいましたよ、佐藤社長に!
いちおう、この原稿についても口頭でOKを貰ったので一安心。
「社長を最初に採り上げておけば、後は(下からは)苦情が来ないだろう」という小賢しい計算ゆえ、これで心おきなくセガについて書けるってもんですな。
でも、これで何年連続会ってるんだろ、この場所で(笑)。気分はまるで、「『伝説の木の下』で告白を受ける男子」(笑)
毎年ここに来るメンツってのは決まっていて、例えばSCEAのマーケティング&サードパーティ担当副社長
(つまり偉い人)の、Andy House氏もその一人。
――なんていう話を佐藤さんとしていたら、間もなくやってきました、当のAndy(笑)。
佐藤社長、ウェーブマスターの牧野、広報の南雲氏を交え、しばし歓談。
Andyが「Hirai-sanも、タバコ喫いに来るんですよねー」と言ったから、ひょっとしたらSCEA社長のKaz Hirai氏も来るかな?と思ったけど、すぐには来ず。
――でも来ました、20分後に(笑)。
Hiraiさんと言えば、むちゃくちゃカッコイイ英語スピーチをする人で、今回のE3でも「ゲーム機戦争は終わった! ソニーが勝った」とブチ上げた人。
タバコ喫いながら、「アレはどういう意味なんですか?」と内幕を訊いたりしつつ、やはり「喫煙場所コミュニティ」は強いですぞ、皆の衆!
ああ、任天堂の岩田社長や、ビル・ゲイツが喫煙者だったらなあ…(笑)。
そういえば、原稿では「先進技術で時代を先取(先取)」と正確に書いたのに、入稿の段階で「時代を先取り(さきどり)」と、間違って校正(校悪?)されちゃったのは、元セガの担当編集ウメちゃんが、校了時期にE3に来ていた(日本に居なかった)からか?
悪いけど、次回はそれをネタにするコトに決定(笑)。
投稿者 tsurumy : 2002年06月14日 06:00
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.0600design.com/mt/mt-tb.cgi/27