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2002年06月28日

嘘六百・第3回

訂正:前回、セガの経営理念を「先進技術で時代を先取り(さきどり)」としましたが、正しくは「先進技術で時代を先取(せんしゅ)」です。

 本連載を始めるにあたって担当編集と取り決めた約束事は、「セガから苦情(クレーム)が来たら連載は打ち切り」というものでした。それはそうです、ドリマガはセガからの情報を生命線としている雑誌。大セガ様の逆鱗に触れなば、あっという間に干上がってしまいます。死活問題なのです。大人の関係なのです。ヒールをお舐め、なのです。あぁソコはダメ、なのです。

 それなのに、セガOBである私が内幕を書き散らすこの文章は、当然ですが広報のチェックなんぞは受けていません。
まさに危ない綱渡り。その綱は、なんと第3回にして、切…。


 さて「喫煙室コミュニティ」の続篇です。
ゲーム業界には「コンピュータは煙に弱い」という時代遅れの迷信が蔓延っているため、セガもご多分に洩れず、オフィスは禁煙。その代わり、部屋の外に「リフレッシュルーム(喫煙室)」というコーナーを設置していたものです。
ソファが並び、飲み物の自販機もある憩いの場――しかし、ここを仕事部屋として使う喫煙者は後を絶ちませんでした。筆記用具一式を持ち込んで仕様を作成する企画者。主要メンバーでミーティングMTGを行うチーム。次期プロジェクトの構想を練る部課長。あまつさえ、猫を飼う者まで居た始末です!(←すいません、私です)。
しかし、プロジェクトや部署に関係なく喫煙者が集って交流し、様々な話題について議論を繰り広げる喫煙室は、ゲーム開発者としては格好の修行の場でもありました。

 あれは、鈴木裕さんがバーチャファイターを作っていた頃だったでしょうか。裕さんが珍しく喫煙室に現れ、チームの人間と相談していたのだったと思います。当時、才気にはや逸る若゛僧(わ゛かぞう)だった私は、つい横から口を出してしまいました。やれ、あのルールは良くない、やれ、この操作はか斯くあるべき…しかし、裕さんも若かった! 私の青い発言にも逐一反論し、お互い声を張り上げての激論! そこで裕さんが最後に放った言葉が、未だに忘れられません。

「鶴見チャンはまだヒットを作ってないだろ? 俺は、作ってるよ。だから、俺は自分の思った通りに作るよ」。

 当時の私は非常に憤慨しましたが、今の私なら、その真意を自分なりに解釈できます。いわゆるtheoryには「技法」と「持論」という2つの側面があり――という話は長くなるので今回は割愛。いずれまた。
ともあれ、裕さんの言葉が奮起材料になったのは確かです。本当に勉強させていただきました。
ありがとうございます、裕さん。ありがとう、喫煙室。

今回の教訓「煙草を喫おうが喫うまいが、喫煙室に積極的に出入りせよ!」

 そういえば、私が入社直後、副部長に「マイケル・ジャクソンのゲーム、作らない?」と辞令?を言い渡されたのも、喫煙室でしたっけ。
次回は、マイケルの話でも(あれ、打ち切りなのでは…?)。

社是! 「創造は生命(いのち)」

経営理念!
ひとつ「知的創造で社会に貢献」
ひとつ「先進技術で時代の先取」
ひとつ「人社一体で目標追求」

ああ、まだ覚えてるよ、俺。

「連載を始めるに当たっての約束事」ウンヌンは、まったくの嘘。前回の誤植?を見てから閃いた単なるネタなので、本気に受け取った方、ご安心下さい(いないか?)。つうか、本文にも「セガから」苦情が来たとは書いてないんだけどね…。

むしろ、「ドリマガはセガからの情報を――」のくだりの方が、ドリマガ編集にケンカ売ってるっぽくってヤバいよね(笑)。掲載誌っつーか、味方にケンカ売ってどうする、俺。掲載時には、ウメちゃんが「編注」を入れて、マイルドにしてくれたけど。
どうにか「キワどいギャグ」を、涼しい顔して書けないものかねえ…今後の課題ナリ。
ま、その前に、読者の顔が見えるようになるまで書き続けないと、どのあたりがキワどくて、どのあたりがキワどくないかの、判別がつかないんだが。

ああ、読者の反応が欲しい。
読者の反応が無いと、どんどんエスカレートしちゃうよぉ、俺!(笑)

ちなみに榎本さんには「カワイイ女のコで、いっちょヤったりましょう!」とお願いしたんだけど、それも読者を煽る一環だったりする(笑)。もっと煽れないかなあ。煽りに反応すれば、方向性も見えるハズだし。

投稿者 tsurumy : 2002年06月28日 06:00

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