2002年08月23日
嘘六百・第7回
セガのスタジオが分社化し、ドリームキャスト以外のコンソールに参入するようになって以来、各スタジオの社長さんと会う機会が格段に増えました。ほとんどの人は、社長になっても変わりませんね。むしろパワーアップしてる。というか小口さん大場さん、変な赤いキノコ食べて若返ってるでしょ? 社長という激務にもかかわらずパワーアップしているのは、精神的に解放されている証拠。セガを蔭ながら応援している身として嬉しい限りです。
でも――唯一人「変に老けてしまったような…」印象を私に――ひょっとしたら私だけに、与える人間がいます。それが、アミューズメント・ヴィジョンの名越社長。最近はトライフォース版「F-ZERO」が話題で、メディアにも積極的に露出していますが、なぜだか、ある種の違和感を持たずにはいられないのです…。
名越も、前回の牧野と同様、平成元年入社の同期です。表面上の印象は今も昔も変わらず「美術系と体育会系の心を併せ持った男」。過労のあまり、仕事中に倒れて救急車で運ばれた伝説を持つ「漢」で、そうした激務をこなしている自信からくる唯我独尊さが、いっそ清々しかった覚えがあります。8年ほど前、たまたま同期連中と飲んだ蒲田の居酒屋で、名越が「これからのセガは俺達が引っ張っていく事になる。共にセガを盛り上げよう」そうアツく語っていた言葉が忘れられません。言ってみれば、同期ながら尊敬できる奴だったのです。
しかし、昨年久しぶりに会った際、その印象は微妙に歪みました。
何かのパーティで「よお久しぶり!」と話しかけた瞬間から、私に一切目を合わせようとしない、受け答えもぞんざい、そして「会話打ち切れオーラ」まで放出している! あのぉ…貴方は私の知っているナゴシトシヒロ君ですか?
――そして今年。E3でのカンファレンス・プログラムに、「完璧なゲームキャラクターの創造」と題したパネルディスカッションがありました。出演者は、アメリカの制作会社社長3人と、名越。たまたま私は全員を知っていて、殊にアメリカ人の二人は、ここ数年一緒に組んでいる友人なので、こりゃ面白えやと観に行ったのです。
実は私、講演前に名越に会っていて、「彼らはこんな事を日本のクリエーターに訊きたがっている」という内容を伝えようとしたのですよ。でも彼は、昨年に引き続き目を合わせようとせず、私が何か言っても直接答えてくれず、同席していた部下に向かって間接的に答える始末。
――お前と俺とは冷え切った夫婦か!?
そして案の定、本番では名越だけ流れに沿って議論を盛り上げる努力を放棄している。有り体に言って「浮いてる」。アメリカ人達が講演前、「名越サン相手ニハ、ドンナ話題ガ盛リ上ガル?」と訊きまくっていたのとは、まったく対照的.です。
名越よ、それってすげぇ損してないか?
まあ、ワタシの人間性に問題があって避けられている、という一抹の可能性も否定できないのですが――というか、そうである事を願ってます。名越のためには。
この回は、かなり本気入ってるかもしれない。
パーティでのぶっきらぼうな振る舞いとか、E3講演前の出来事(実は、またもや、搬入口でタバコ喫いながらの話)には、マジで腹立てちゃったもん俺。しかも、そんな扱いされる理由も思い当たらないワケだし――。
文中の「これからのセガは俺達が引っ張っていく事になる。共にセガを盛り上げよう」という発言は、たしか俺がAMを辞めて、CSに移籍する時の飲み会でのコトだったと記憶している。つうか正確に云うと名越は「俺はオマエ(鶴見)に期待している。これからのセガは俺達が――」と発言したはず。ずいぶん期待されていたのかも(笑)。
だから、セガを見捨てて?SCEに移ってで浮かれてる俺に腹立てたのかねえ。
いやいや、本当の理由を知りたいものです(じゃ、直接訊けよ…笑)
投稿者 tsurumy : 2002年08月23日 06:00
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