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2003年03月28日

嘘六百・第22回

 ドリマガの「プチ週刊」も、やっと今週で終わりです。

このクソ忙しい時に、毎週毎週〆切がやって来やがるもんですから、すっかり仕事のペースが狂っちまいました。この怨み、どこにぶつければいいんでしょう? ドリマガ編集部? ソフトバンク?

 いやいや、今回はPS2「サクラ大戦」の発売に合わせた措置だったという話ですから、この際、オーバーワークスの大場社長に鬱憤を晴らさせていただく事にしましょう――。

 読者の皆さん、大場さんの事は誌面等で知ってますよね?

 あの派手な服装(チンピラ・ルック)の年齢不詳なオヤジ(笑)。私もよーく知っています。なにせ私がセガのコンシューマに在籍していた8年前、課長だった大場さんの席は私のド真ん前だったんですから。なので、大場さんが頻繁に漏らしていた「仕事したくねえ~」「帰りてえ~」「浮気してえ~」等といった不埒な言動(魂の叫び?)の数々まで、今も鮮明に思い出す事が出来るほどです。

でもね、普通、上司がやる気の無い態度を見せると、部下のモラル(士気)が削がれてプロジェクトの生産性にも悪い影響を及ぼすはずなんですよ。普通は。しかしそこは大場さん、普通じゃないから全然OK。

喩えて云うなら「治外法権(ジャイアニズム)」。

どれほど遅刻が多かろうが(午後出社当たり前)、いくら就業時間中に漫画を読み耽ろうが(毎日、私から強奪!)、彼が「ヤル時ゃヤル男」というのは部内に知れ渡っていたので、全く問題なかったのです。

 例えば、当時開発上の問題を抱えていた「クロックワークナイト」というタイトルをテコ入れするために、大場さんが現場に復帰した事がありました。

――今だから云えますが、当時の私は「いかな大場さんでも、こりゃ無理だろ」と踏んでたんですよ。当初の企画では、「ネジを巻く」という基本アクションに数秒もかけさせる、何とも面倒くさい仕様でした。勿論、爽快感の無いACGは言語道断。かと云って、もし爽快感を増す(=単位時間当たりの刺激量を増やす)為に「ネジ巻き」時間を短くするとしたら、マップ中のチャレンジ(仕掛け)の数から規模まで増やさなければ帳尻が合わない事になります。基本アクションは全ての設計の基本単位なので、後になってから修正するのは現実的じゃないのが普通です。

 ところが大場さん、これまた普通じゃなかったんですねー。大鉈ふるって基本アクションを修正し、マップもエネミーセットも全修正。増えた作業量を自分でも負担してマップ書き。普通、課長とかの管理職が現場仕事(殊に仕様書作成)を受け持つとロクな事にならないものですが――もう「普通」って言葉が通用しないのはお解りでしょう――結果はご存知の通り。上下巻に分けざるを得なかったものの、概ね成功しちゃった訳です。


 あれ? 本当は大場さんから遅刻罰金をタンマリせしめたウハウハ話を書く予定だったのが、読み返してみたら妙に「イイ話」になっちゃいましたねー。
せめて鬱憤晴らしに、最期っ屁を一言――


「大場課・長、お元気ですか?」

この原稿送ったら、編集のうめちゃんが心配してやがんの。

「こんな『大バカ』呼ばわりして大丈夫かよ?」

大丈夫に決まってるじゃん(笑)。

この手のシャレが通じない人もいるけど(中さんとか)、こと大場さんに関して云えば、もっと酷い事書いても「おーまーえーなー!!!」ぐらいで済んだはず。

つうかね、セガ系で上に立つ人間って、マジで度量が広いじゃん(これも中さんは除く)。本当に面白い会社だったよなあ、セガ。

タグ: セガ

投稿者 tsurumy : 2003年03月28日 06:00

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