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2006年06月06日

醒めるトキ、萎えるトキ

ある最近の小説を読んでいて、ふと違和感を覚えた。
とあるシリーズ作品を、わざわざ4作目まで読み進めてきたってのに
唐突に強烈に不意で不当な違和感を覚えた。

登場人物が、《ハッカー》だの《クラッカー》だの
《ナード》だの《ギーク》だの(《ギーグ》と誤記されてたけど)
割と最近のコンピュータ風俗用語を使っている割には――
《サーバー》のコトだけ《マザーコンピュータ》って呼んでるの。


「マザーコンピュータ」!? そんなコトバ、ねえよ!


ここまでコンピュータが身近になった21世紀の小説なのに、
そこだけ昭和かよ? バビル2世かよ? 火の鳥かよ?
作者が意図的に選んだ風でもない。一般名詞のように使われている。
シリーズ通じて、同時代的なセンスを独特の衒学的言語感覚で
綴っているトコロが面白かったのに、一気に底が見えたっつうか、
お里が知れたっつうか、馬脚を露したっつうか、ええ、
もうなんつーか、それだけで興醒め。萎え萎え。
シリーズ残り2作(4冊)を読む気が雲散霧消、さっぱり失せた。
驚くべきコトに、このワン・ワードだけで。


そう云えば、「亡国のイージス」を文庫で読んでいたトキも、
「F」のフォネティック・コード(※)を
《フォックスロット》と誤記していて(正解は《フォックストロット》)
単なる誤植かなあ…と思ったら、別の場所でもそう書かれていたんで、
「ああ、これは作者/編集者ともに知らずに書いているんだなあ」
と萎えたコトもあったっけ。
水戸黄門で、うっかり八兵衛が「ご隠居、いいチャンスですよ!」とか
云っちゃったようなモノ。ギャグではなくミス。リアリティ台無し。
今回もそんなカンジ。


※フォネティック・コード(Phonetic Code)
無線通信時等に、似た発音の文字(「ビー」と「ディー」とか)を
混同されないように、1文字を1単語で判りやすく伝える方法。
A:アルファ、B:ブラボー、C:チャーリー、等々。

ちなみに昔、鶴見が電話電信の無線従事者をしていた頃は
「ジュリエット・ヘンリー・ゼロ・マイク・エコー・ジュリエット」
=「JH0MEJ」、でした。
ジュリエットって女性名、人生で既に2万回は発声してるよ。

カテゴリー: 超抜粋mixi日記

投稿者 tsurumy : 2006年06月06日 11:02

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